2005.04.08

「ビョン様」こと!イ・ビョンホン主演「甘い人生」

「ビョン様」こと!韓国俳優「イ・ビョンホン」来日!
主演映画「甘い人生」の記者会見が「伊勢丹」新宿店の
屋上で開催され大挙「500人」もの「報道陣」が集結!
未だ!「韓流ブーム」冷めやらぬ?といったところか?
【ビョン様熱気ムンムン会見…主演映画「甘い人生」】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【092】

 有沢には以前から、英語の家庭教師が付いていた。勲は、二学期から母が算数の家庭教師を付けた。これが勲は、苦痛だった。「何で学校以外で勉強せなあかんねん!」そんな母への反抗心が、勲の胸の内に芽生え始める。
 週二日、他所の小学校の教諭が夕方、勲の家にやって来る。このシステムに勲は、反感を覚える。西山という教諭が、学校でどんな評価を受けているのか?家庭教師というアルバイトをしてもいいのか?月謝はどの位なのか?
 勉強は、玄関を上がった三畳間の勲の勉強部屋ではなく、来客を泊める二階の奥の間。
 家庭教師が来ると母は、丁寧に挨拶し、勉強が始まる前に、高価なお茶や和菓子、母特製のミックスジュースなどを出す。そして、勉強が終わると、寿司や鰻丼などの夕食を出す。これが勲は気に入らない。「なんで月謝を払うてるのに、そんなペコペコせなあかんねん!お母ちゃんらしない!」
 二時間の勉強に、熱が入らない。おまけに西山は、クソ真面目な上に、口が臭い。顔色が悪い。教え方が下手など、勲は、自分勝手な難癖を付ける。
「お母ちゃん、ぼく、あの西山先生と気ぃ合わへん」家庭教師が付いて一ヶ月も経たない、ある晩御飯の時に勲は、母に訴える。
「何言うてんのん、この子は。お母ちゃんはなあ、お前の将来の事を考えて、そうしてるんや、そんな事ぐらい、分からんのか?」「分からへん!それに、月謝、勿体ないやんか!」勲は生まれて初めて母に、反抗した。「子供がお金の事、心配せんでもええ!お母ちゃんの言う通りにしてたらええんや!」「いやや!自分の事は、自分で考える!」「生意気な口ききな!」卓袱台の向こうから母の平手が、飛んで来る。ガシャン!卓袱台の上の食器がひっくり返る。「お母ちゃんは、いっつもそうや!ボクが憎いんや!新橋演舞場の時もそうや、砂場で遊んで服汚した時、森田君や小浜君、中島君は怒らんと、ぼくだけ叩いたやんか!なんでぼくだけやのん?お母ちゃんは、ぼくが憎いんや、そうに決まってる!」三つ子の魂なんとやら―で、勲の〝ひがみ根性〟は、あの時、生まれていた。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.04.07

クリント・イーストウッド「硫黄島の星条旗」映画監督

「クリント・イーストウッド」が実に「43年ぶり!」の
「来日」を果たし「石原慎太郎」東京都知事を表敬訪問
自ら「監督」を務める映画「硫黄島の星条旗」に関して
「協力」を要請!如何なる「内容」になるか?興味津々!
【イーストウッド、石原都知事とがっちり意気投合!】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【091】

「登、はよせいや!」登は、青洟を垂らしながら、上の空。「登!」四桁の複数の掛け算、登はじっと数字を眺め続けている。「登!」次の一瞬、登は一気に数字を書きなぐって行く。凄いスピードだ。あっという間に一ページをクリア。「登、お前凄いやんけ!やったら出来るんや」「……」勲は、検算する。「……???……登、全然違うやないかぁ?」「そうかぁ?」「そうかぁて、お前どうして計算したんや?」「……勘や」「勘て?」「わし、頭に浮かんだ数字、書いて行っただけや」「…お前はやっぱりアホや!登、お前、勉強する気ぃあるんか!」家の奥で小さな鉄工所を営んでいる登の父が、飛んで来る。
「お前、登、登て偉そうに言いくさって何じゃ!つまらん!」登の父が、勲の頬を平手で打つ。広島弁で[つまらん]は[余計な事]とでも言おうか。
 突然、平手打ちを喰らった勲は、烈火の如く泣き叫び、家を目指した。
「ウエ~ン、お母ちゃん、登とこのおっちゃんに叩かれたァ~」「そやから、あの子とは遊びな言うてるやろ!もう二度と遊びな!分かったなぁ!」
 登の父に殴られた痛みと悔しさに混じって勲は、母が何故、登ら長屋の子供たちと遊ぶことを嫌悪するのか、理解出来なかった。
 楽しい筈の夏休みは、勲にとっていろんな事が交錯した、苦い休みになってしまった。
 二学期が始まって勲は、登と口もきかなくなった。

 「藤田、そろそろ先生来るのんとちがうか?」「うん…そや、有沢とこもやな」
 勲は又、有沢幸男と親交を始めた。二人の間で変わった事といえば「いさちゃん」「ゆきちゃん」と、名前で呼び合うのが「藤田」「有沢」になった事ぐらいだ。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.04.06

「サンタが町にやってきた」起用「交渉人・真下正義」

「踊る大捜査線」番外編の映画「交渉人・真下正義」の
「テーマ曲」に「サンタが町にやってきた」が決定!…
何と!「ジャクソン5」と「テンプテーションズ」版の
世界で初めて!となる「W起用」に「成功」したとか!
【映画「交渉人-」が異例のテーマ曲“同一W起用”】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【090】

「そういう態度は、村瀬を親友や無いと言うてる事と同じやぞ」勲は、脳天の痛みなど忘れて、違う意味の涙を流している。「先生がお前を特別席で授業を受けさしてるのも、お前がもっと素直な生徒になって欲しいからや。そやのにお前は、特別席そのものを面白がって授業中も、無駄口ばっかり叩いとる。藤田ともあろう者が、そんな事でどうする?」
 この言葉は勲には、効いた。『藤田ともあろう者が…』杉山は勲の勉強の事は、認めている。しかし、生活指導上に問題が残る…
 何故か登も、しょげている。
 校内の見回りを終えて、宿直室に戻る。杉山は冷えた麦茶をコップに淹れる。「恐怖と説教で喉、渇いたやろ」勲と登は一気に麦茶を喉に流し込む。「そろそろ、寝よか…先生がええ話したる…」鳴いた烏がもう笑う。勲と登は布団に潜り込み、両肘をついて顎の下に当てがう。杉山の話は・・・
 昔、人柱というのがあって、川に橋を渡す時、人間が橋を支える柱にされたこと。
 又、殺人犯が死体を隠すために部屋の壁を壊し、その中に死体を入れ、セメントで壁を塗り潰す・・・と言った類の怪談・奇談。
 勲は、宿直室の壁の染みが人型に見えて、なかなか寝付け無かった。
 杉山は、何か問題を抱えている生徒を宿直室に泊めた。それは、杉山の確固たる生活指導方針だった。
 
 夏休みも終わりに近づいた。
 勲は、もうとっくに『夏休みの友』を終えていた。登は大半を残していた。勲は、あの宿直の日から少し、変わった。登の家で宿題を手伝ってやる。登は算数が大の苦手。勲もそうだが、まだましだ。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.30

リチャード・ギア!小泉首相に「Shall we Dance?」

ハリウッド版映画「Shall we Dance?」日本公開に向け
PRの為に来日中の主演俳優「リチャード・ギア」が…
「似ている」と評判の「小泉純一郎」首相を表敬訪問!
撮影では!首相の方から積極的に?「Shall we Dance?」
【似てる!?リチャード・ギアが小泉首相を表敬訪問】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【083】

 総評も全国カンパを呼びかけ、物心両面から運動を支えた。これに対し政府は「石炭合理化措置法」「スト規正法」など、財閥三井資本と一体となって、労働者に襲い掛かった。「三井三池闘争」が「総資本対総労働」の闘いと言われる所以だ。
 三月二十八日、三井三池の第一・二組合員が激突。翌日、暴力団員が第一組合員を刺殺、緊張が激化した。
 六月十七日、社会党顧問の河上丈太郎が衆院面会所で請願を受付中、暴漢にナイフで刺され、負傷。それ以降、右翼テロが続発する。
 七月十四日、自民党大会で石井光次郎を破り、新総裁に選出された池田勇人の就任祝賀パーティーで、岸信介首相が暴漢に刺される。
 十月十二日、東京・日比谷で開かれた三党首演説会で、演説中の浅沼稲次郎・社会党委員長が、十七歳の右翼少年に刺殺され、国民に大きな衝撃を与えた。
 犯人・山口二矢は、鑑別所で自殺した。

 夏―勲は左腕にビニール製の黒い人形を?まらせ、近所をブラブラ歩いていた。
 この夏、ビニール製の黒ん坊人形の〔ダッコちゃん〕が大ブームとなる。大きい耳と目、
両目は、見る角度によってウインクする。サルが両手足で木にしがみ付く様な形をしていて、人形の手足を腕に絡ませる。こうして街を闊歩するのが流行った。
 昭和三十三年、フラフープが大流行した。アメリカから上陸したフラフープは、わずか半月間で四百万本も売れた。それを凌ぐ、ブームの到来だった。
 ダッコちゃんを手に入れようと、デパートには連日、開店前から行列が出来た。勲の姉は、いち早くゲットしていた。品不足から偽物まで出る始末、偽物ダッコちゃんは、ウインク出来ない。
 南国ブームと言われたこの年、ウイスキーメーカー・サントリーのCM『トリスを飲んで、ハワイへ行こう!』が流行語になり、子供たちは『チビクロサンボ』を読み、ラベルが黒人の『カルピス』を飲んだ。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.29

「日本テレビ」誤報?「モナ・リザ」は「2点ある」?

特番「超歴史ミステリー!ルーブル美術館の秘密」で…
「モナ・リザ」が2点ある…と紹介されたことに対して
「日本テレビ」宛に「抗議文」が送られたそうだが!…
近頃!何かと「マスメディア」の旗色が悪いような?…
【「モナ・リザ」は誤報!?日テレに抗議文】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【082】

 運動会の一種目「棒倒し」五年生の五つの組の男子生徒が、それぞれ紅白両陣営に分かれる。双方対峙する中間点に五メートル程の竹竿が五本、置かれてある。ピストルの合図で赤組、白組一斉に竹竿目指して猛ダッシュをかける。竹竿を奪ったチームが、素早く竹竿を立てる。その先には赤旗が翻っている。
 いち早く竹竿を登り、赤旗を抜いて手にして、竹竿を倒したチームが勝ちを収める。
 竹竿を立てている生徒の肩を目がけて、勲はジャンプする。竹竿に手をかけた勲は、両足を竹竿に挟み、腰をくねらせ、尺取虫の様によじ登っていく。その刹那、勲は股間に奇妙な痺れを感じる。と同時に、尻の両側の窪みに、脈打つ快感が走る…「な、なんや、これ?」「勲、はよ旗獲れ!」眼下で登が叫ぶ。
 赤旗を手にした勲は、倒される竹竿にしがみ付いたまま、着地する。三対二で勲たち白組の勝ち。「万歳!万歳!万歳!」
 勲の股間は、精液で濡れていた。勲は、棒倒しに熱中のあまり、小便をちびったのだと思った。自慰を知るのは、中学に入ってからのことである。

 秋が過ぎ、冬が来、春を迎え、勲は六年生になる。
 昭和三十五年―。
 日本の労働運動史に残る大闘争『三井三池闘争』【戦い―】
 一月二十五日、福岡県田川市の三井三池炭鉱労組は、一万六千人の組合員に加え、総評など全国からの支援者を含め、二万人が全山をロックアウト、無期限のストに突入した。
 明治期以降、我が国の近代産業の発展を担ってきた石炭産業。しかし、この年、日本政府はアメリカの要請により、日本のエネルギー政策の一大転換に打って出た。
 過酷な労働で基幹産業のエネルギー需要を支えてきた労働者たち。戦後、コメの配給があった時、一般市民は一日二合の配給であったにもかかわらず、炭鉱労働者は六合と優遇されていた。しかし「石炭から石油へ」という政策転換で、労働者の指名解雇、炭鉱の閉山が企まれた。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.28

ドロドロ!昼ドラ「冬の輪舞」ゴールデンタイム進出

「有り得ない」展開が「病み付き」になるという?噂の
昼ドラ「冬の輪舞」が「ゴールデンタイム」に進出!
一世を風靡した?「真珠夫人」「牡丹と薔薇」よりも!
「視聴率」では勝っているそうで「一見の価値有り」?
【ドロドロドラマ「冬の輪舞」、ゴールデンタイムに進出】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【081】

 二日目のフィナーレが「町民仮装大会」様々に仮装した十五組が、会場内を芸をしながら歩く。
 登「スマートやなァ…」勲「ミゼット!」「恰好ええな…」「ミゼット!」「君、誰や?」「ミゼット!」
 この頃、テレビは大阪の喜劇ものが大ヒットしていた。中田ダイマル・ラケット、ミヤコ蝶々、南都雄二ら漫才師を中心にした『スチャラカ社員』一方、大村崑、佐々十郎、茶川一郎らのコメディアンを世に出した『やりくりアパート』
 生涯、五千本を超える脚本を書いた花登筐のデビューヒット作『やりくりアパート』は、日曜日の夜、六時三十分から七時放送の全国ネットの番組。小型自動車メーカー・ダイハツ提供のこの番組は、CMも大ヒットした。
 ダイハツ・ミゼット・DKA型は、昭和三十二年に発売された、軽三輪車。先頭の一輪のノーズ部分は、カラスの嘴の上側みたいな型をし、後部は荷台になっており、全体のデザインが可愛い。この車が大ヒット商品となった。少し小柄な女性を〝ミゼット〟と言ったものだ。
 大村崑と佐々十郎の「スマートやなァ…」「ミゼット!」が大ブレイクした。そのギャグを勲は、仮装大会に持ち出したのである。
 父が作ってくれた大村崑のトレードマーク、鼻にずらした黒縁の丸眼鏡をかけた勲が、ひょうきんな仕草で「ミゼット!」を連発する。結果は、優勝。勲の子役魂は、まだ消えていない。
 
 仮装大会のスナップの横には、四段のピラミッドの頂上で大の字に立つ、勲の勇姿がある。
 秋の運動会―。
 この秋、勲は男を憶える。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.26

「男たちの大和 YAMATO」実物大セット!4億円

12月公開予定の映画「男たちの大和 YAMATO」…
「戦艦大和」の「実物大セット」の費用は「4億円」!
JR「尾道駅」から渡船でわずか5分の「向島」にある
「ロケ現場」は「遠見の見物」の名所?になるかも?
【YAMATO発進!!全長100mの巨大戦艦出現】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【079】

 兄の義父母も、妻の弘子もとても優しかった。藤田家の大切な息子を養子に迎えたことに、一種の遠慮みたいなものを感じていたのかも知れない。そんなことは勲には、分からない。勲は、医者という仕事にも、自分の家とは全く違った内山家の環境にも、すごく興味を抱いていた。
 そんな勲の心境を、母は知っていた。「勲の前では、博を取られたなんて、二度と言うまい」そんな母心が、今日、内山家に勲を遊ばせに行かせようとしている。内山家との融和―。
 内山家の広い芝生の庭には、錦鯉を飼うプールがある。縦十メートル、横五メートル、深さ一メートル。勲が訪れた時、往診時に車を運転する屋鋪さんが、プール掃除をしていた。五つの盥に錦鯉を移し、プールを空にして屋鋪さんは柄の長いブラシで、内側をゴシゴシ洗っている。その様子を一郎の妻・たえと勲は、上等のソフトクリームを舐めながら見つめている。「おばさん、あのプール洗ってから、どうするんですか?」丁寧にしゃべることを母から注意されている。「又、水を張って、しばらくしてから鯉を戻すのよ」東京弁である。内山夫婦は大阪の出身では無いので、東京弁を話す。新橋演舞場の「ミツヤ」の姉さんを思い出す。
「プールに張った水を、何でしばらく時間を置くんですか?」「何でも、水に太陽の光を当ててからの方が、水質が柔らかくなって、鯉には良いらしいのよ」「ふ~ん…どれ位の時間、置くんですか?」「さあ、二~三時間じゃないかしら?」「ふ~ん…その間、錦鯉はどうしてるんですか?」「盥に上に茣蓙をかけて置くのよ」「ふ~ん…その間は、プール、誰も使わないんですか?」「……あっ!ひょっとして勲ちゃん、あの中に入りたいんじゃないの?」勲の思いは通じた。
 勲はパンツ一丁で錦鯉のプールに浸かってしばしの水遊びを楽しんだ。一人っ子の弘子しか育てていない、たえおばさんは、プールサイドで麦藁帽子を被って、勲を優しい目で見つめている。
 プールの水は、鯉臭かった。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.21

宮沢りえ!映画「花よりもなほ」是枝裕和監督作品

「宮沢りえ」の次回映画は…昨年の「誰も知らない」が
「カンヌ国際映画祭」で認められた「是枝裕和」監督の
初の時代劇「花よりもなほ」…原作は「藤沢周平」で!
「映画賞」を総なめにした「たそがれ清兵衛」と同じ!
【宮沢りえ、次回映画は是枝監督の最新作「花よりもなほ」】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【074】

 夏休み―。
 登は、例年通り広島県・呉市の田舎に里帰りしていた。悪戯遊びの相手が居ない。マッカでは、頼り無い。有沢幸男は十日間、大阪南部の浜寺にある別荘で過ごしている。勲の田舎といえば、父の出身地、徳島県の石井という小さな村だ。しかし、これまで一度も父は連れて行ってくれない。理由は知らない。
 母はH区の隣、F市生まれなので田舎は無い。毎朝、六時の学校でのラジオ体操、午前中の「夏休みの友」の宿題を終えると、暇だ。
 自転車を駆って、勲は町内をブラブラ練り走る。F小学校近くを走っていると、一人の人影を見つける。近づいてみると、石原という二組の小柄な、顔見知り。「おっ、石原、何してんねん?」「……」これまで話したことは、一度も無い。石原は勲を、警戒している。というのも、勲は五年生の中では、やんちゃで通っているからである。「どこ、行くねん?」「帰るねん」「家にか?よし、送ったるわ!」何しろ、暇なのだ。固辞する石原を無理やり荷台に乗せ、運ぶ。
 でかい円筒形をしたガスタンクの近くに、石原の住むアパートはある。薄汚れたタイル壁の所々が、朽ちている。自分の住みかを石原は勲に、見せたく無かった。だから固辞したのだ。しかし勲は、そんなことには無頓着。「お前、何持ってんねん?」石原が手に、丸めた新聞紙を大事そうに持っていることに、初めて気づく。「何でもない…」「ちょっと見してみいや」「何でもないて…」勲は強引に新聞紙を剥がしにかかる。
 中には、山蟻が十数匹、蠢いている。「何や、蟻やんけ!お前、これどないしてん?」
 観念したのか石原は、山蟻をF小学校の築山の砂の中から探して、持ち帰った事の次第を告白する。
「先生に、ばらさんといてや…」勲にそんなつもりは毛頭、無い。いつも悪戯している勲にとって、先生は〔鬼門〕だ。「ほんでお前、この蟻、どうすんねん?」興味は、蟻のその後だ。「…俺なぁ、蟻飼うてんねん」「蟻、飼う?どういうこっちゃ」「家の中で、飼うてんねん」「ほんまか?ほんなら俺に見せてくれや!」「…藤田、見てくれるんか?」石原の顔が、やっと綻ぶ。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.20

「優しい時間」喫茶店「森の時計」一般向けオープン

「優しい時間」の舞台になっている喫茶店「森の時計」
撮影が終わった「ロケセット」をそのまま「使用」して
「3月19日」に「一般向け」喫茶店としてオープン!…
自ら「ミル」で「コーヒー豆」を挽けるか?興味津々!
【「優しい」喫茶店がオープン】(スポニチ・アネックス)

愚図愚図と酔いしれて…【073】

 六月の大雨で、勲の家の周りは、床上浸水に見舞われた。各家庭の大人たちは、一階の畳を上げたり、箪笥など家財道具を二階に運んだりと、忙しい。勲はというと、盥を持ち出し、一寸法師遊びだ。登を誘い、裏のマッカの家に盥を漕ぎ出す。その時、濁水の上を一本のゴボウが流れて来た。「これ、マッカに喰わそ!」マッカの家に辿り着いた勲は、同じように盥に乗ったマッカに言う。「マッカ、このゴンボ旨いぞ!俺も登も食べたんや」「嘘付け?」「ほんまや、おい登、喰う真似せえ…」小声で囁く。「わし、いやや!」「あほ、喰う真似だけでええんや」かじる真似をする。「ああ旨い…マッカ、旨いぞ」「ばばたんこで、俺を見捨てた罰や…」勲は、心の中で呟く。マッカはゴボウを本当に、かじった。
 或る日、田圃で遊んでいて三人で連れションした時、マッカのちんちんの先が一寸左に曲がっているのを、勲と登は目撃する。「台風の時のゴンボ喰うたから、ちんぽ曲がったんや!」二人だけの秘密にした。
 マッカは、三位でタッチした。最下位だ。
 第三泳者以降、四年チームは、どんどん離され、五年チームは六年チームに十メートル以上、水をあけられ、いよいよアンカーにタッチだ。最終泳者は五十メートルを泳ぐ。イルカのように飛び込んだ登は、いつものようなハイピッチで水を掻き、水を蹴る。クロールの息継ぎは、手を二回掻いて、一呼吸する、登独特の泳法だ。二十五メートルのターンで先頭との差は、五メートルまで縮まった。「そや、登の奥の手や!」勲は思い出した。K小学校のプールでの授業の時、スイスイ泳ぐ登に勲は「息吸う時、獅子舞いみたいな顔して、口をこう横に開いた方が、呼吸が楽ちゃうか」とアドバイスした。本当は登に面白い顔をさせたいだけのことだった。しかし、獅子舞い呼吸は、功を奏し、登の泳ぎは一層スピードを増したのである。
「登、獅子舞いや!獅子舞いや!」水を得た魚―登はグングン追い上げ、ゴールした時、六年チームに五メートルの差を付けての、快勝に終わった。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.03.17

昼ドラ「危険な関係」高橋かおり「非道のヒロイン」

「高橋かおり」が「非道のヒロイン」を演じるという…
フジテレビ系「昼の帯ドラマ」の「危険な関係」では!
「18世紀の貴族の奔放な愛」が描かれるとのことだが…
「牡丹と薔薇」のような「ブーム」を巻き起こせるか?
【高橋かおりが自信…新昼ドラ「危険な関係」制作発表】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【070】

 週明けの月曜日、朝礼の後片付けを終えた勲は、教室に入り特別席に着く。室内がやけに静かだ。登もうつむいている。「藤田、お前先週の土曜日の放課後、運動場で何しとった?」「……」急に言われても分からない。ライオンは〝デモごっこ〟の主犯、勲に罰を執行する。登は参加していなかった。
 勲は、自分の机と椅子を廊下に出し、それらを三組の教室の前に運ぶ。三組といえば、あの山本操のクラスだ。「どないしょ…」後の祭りだ。三組の尾藤という教諭は、杉山に次いで怖い教諭だ。石原裕次郎かぶれで勿論、頭は《慎太郎刈り》だ。三組には、あのマッカも居る。マッカの話だと尾藤は悪戯をした生徒には「目をつむれ、歯をくいしばれ、両足を開け」と号令を掛けて、往復ビンタを張るという。その尾藤と杉山が廊下でヒソヒソ話を交わしている。相談成立、勲は一週間、三組でも特別席で授業を受けることとなる。操の視線は冷ややかだった。「もう、終わりや…」勲の一方的な初恋は、終わった。
 怖い先生と言っても、杉山と尾藤は根本的に違いがある。尾藤は勲から見ると裕次郎かぶれの、ええカッコしい。杉山はどことなく愛嬌がある。髭が濃いので剃っても頬はザラザラ。その髭面を男、女、誰彼構わず捕まえては、頬に擦りつけて来る。生徒の頬は真っ赤になる。それが嫌で生徒は杉山の顔を見ると、逃げ惑う。先生と生徒の鬼ごっこ。これが結構愉しい。又、チョーク投げの達人だ。教壇で授業をしている時などに余所見ををしている生徒がいると、短くなったチョークを一直線に投げる。百パーセントの確立で的を射る。生徒が一番恐れているのが、杉山の「サンドパンチ」だ。頭の両方のこめかみに、両拳の真ん中指のとんがりで、左右同時にガツンと打つ。涙が出るほど痛い。重罰の生徒はさらに両拳で、こめかみをグリグリやられる。この時代、鉄拳を振るう教師はざらに居たのである。体罰は当然と親も納得していた。
 ライオンは嘘も教えた。ビスケットのカサカサした食感は、細かい砂を混ぜてある、と。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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