2005.03.25

「ソフトバンク」参戦?「フジテレビ」vs「ライブドア」

知らぬ間に?「ソフトバンク・インベストメント」なる
「投資会社」が!あの「フジテレビ」の「筆頭株主」に!
「ニッポン放送」を巡る「ライブドア」との「紛争」に
遂に?「IT企業」の「ドン」が満を持して?参戦か?
【ソフトバンクグループ会社、フジテレビの筆頭株主に】(asahi.com)

愚図愚図と酔いしれて…【078】

 内山医院は、近鉄F駅の次の駅前にある。自転車で約二十分。医院は古い平屋で先生は博の義父ひとり。いかにも街医者といった佇まいである。
 義父の一郎は、立派な口髭をたくわえ、刈り上げた髪をびしっと七三に分けた恰幅のいい風貌の医者だ。北海道のH大学医学部出身。
 そのため、内山医院の居宅には熊の置物が沢山ある。大理石を敷いた大きな玄関には、石で彫られた、勲が跨れる位の特大の白熊が、客を迎える。
 医院と母屋は古い木造だが、広い敷地には博自ら設計した鉄筋二階建ての、邸宅がそびえる。東京の医大でのインターンを終えた博は、二年間の教養学部に在籍していた大阪のI大医学部付属病院に勤務する傍ら、義父の医院を〝若先生〟として手伝っている。
 南側には、吹き抜けの円形ホールまである。グランドピアノを二台置いてもなお、余る空間。弘子は、ここでピアノ教室を開いている。生徒も五十人は居る。
 円形の二階部分の壁には、特注のスピーカーが埋め込まれていて、そこから流れ出るクラシック音楽の調べは、コンサートホールそのものだ。このホールで藤田家の家族全員が、博のバイオリンと弘子のピアノの協奏曲を聴いた。父も母も、養子に出した博の暮らしぶりを目の当たりにして、ホッとする反面、どうしようもない虚しさが胸中に去来した。
 この夜、内山家ですき焼きの晩餐が振舞われた。当時、すき焼きは最も高級な家庭料理だった。何が勲を驚かせたかというと、すき焼きの具を浸す生卵を、いくら使ってもいいという現実だった。藤田家では、父を除いてひとり一個。勲は内山家が眩しかった。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2005.02.04

「電車男」1周年!トップ声優による「朗読劇」

インターネット掲示板「2ちゃんねる」から生まれ!…
現代版「純愛物語」として「45万部」超えのヒット作!
「電車男」原作の「トップ声優」による「朗読劇」開催
「愚図愚図と酔いしれて…」も「朗読劇」化を検討中?
【朗読劇『電車男』開催-1周年を祝おうじゃないか】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【029】

 風呂もデカイ。いつも二人は洗い場の排水口を手拭いで栓をし、湯船の湯を洗面器でかきだして溜める。そうして洗い場に仰向けになって、浸かる。湯船に入ればいいものを…。何か変わったことをするのが二人とも、愉しいのだ。風呂から上がると晩御飯。台所も食堂も広い。勲が泊まる時には、二人だけ家族と離れたテーブルで食事することを幸男の母は許してくれる。古株の女中でよく太った、ひさえはんが給仕してくれる。今夜のおかずはビーフシチュー。なにもかも勲の家とは違う。勲の家は《晩御飯・おかず・卓袱台》幸男の家は《夕食・メニュー・テーブル》といった具合だ。
「藤田君、今日もパジャマ持参か?」「うん!」「けったいな子ォやなあ」いつも、ひさえはんは言う。幸男の物を借りればいいのだが、勲はいつもパジャマを抱えて泊りに行く。それには訳がある。家で寝る時、勲は寝間着である。夏は木綿、冬はネルの母が縫ってくれた寝間着。ところが見栄を張ってか、母は市場の洋服屋でパジャマを買ってくれた。「勲、幸男ちゃんの家に泊るときはパジャマにしいや」「なんで?」「なんでて…人様の家泊るのに…寝間着ではなあ」勲は母が寝間着を縫っている姿を見ている。印刷の仕事を手伝いながら、経理も家事もこなし、疲れているであろう母が、夜なべをして縫ってくれた寝間着を勲は、気に入っていた。その一方で、何となく、ええし気分にさせてくれるパジャマを以前から欲しかった。だから勲にとってのパジャマは"余所行き"なのだ。家では決して、着ない。
 七時過ぎに夕食を終え、勲は幸男の部屋のある二階への階段を上がる。真っ直ぐに伸びた廊下の右側は中窓になっていて、窓から見下ろすと、そこは工場の敷地の中央広場だ。各工場を行き交うフォークリフトや農機具の完成品、各種部品の搬入搬出の車が走るスペース。廊下の左側は手前から幸男たち兄弟五人の部屋が並ぶ。勿論、一人ひとりの個室だ。
 勲の家といえば、すり硝子の入った格子戸を開けると、左右に細長い八畳ほどの玄関。右手は作り付けの大きな木製引き戸の下駄箱、左手が重厚な木調のあがり框、真正面の壁の中央には円形の造り窓。障子の向こうは食事の間で、土間の台所には、使っていないが竃(へっつい)さんがある。玄関左の框を上がれば三畳間、右に掘り炬燵が設えられた四畳半の中の間、続いて八畳の奥の間。いずれも京間サイズ。奥の間は仏壇隠しの両開きの襖、違い棚、床の間が並列になったいわゆる〝書院造り〟。奥の間をカの字に囲むように広縁があり、その向こうに前栽が広がる。前栽の左側に大小便所、手洗い用の石の手水には竹の筒から水が滴る。前栽には大小二つの灯篭、二つの小さな池溜め、その周りに大小の奇岩が配置され、中庭の趣を醸し出している。茶道を好んだ祖父の趣向が窺える。建物は総二階。勲は奥の間で父母と三人で寝、後の兄弟は二階のそれぞれの部屋で寝る。勿論、布団だ。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

| | Comments (0) | TrackBack (1)