「ソフトバンク」参戦?「フジテレビ」vs「ライブドア」
知らぬ間に?「ソフトバンク・インベストメント」なる
「投資会社」が!あの「フジテレビ」の「筆頭株主」に!
「ニッポン放送」を巡る「ライブドア」との「紛争」に
遂に?「IT企業」の「ドン」が満を持して?参戦か?
【ソフトバンクグループ会社、フジテレビの筆頭株主に】(asahi.com)
愚図愚図と酔いしれて…【078】
内山医院は、近鉄F駅の次の駅前にある。自転車で約二十分。医院は古い平屋で先生は博の義父ひとり。いかにも街医者といった佇まいである。
義父の一郎は、立派な口髭をたくわえ、刈り上げた髪をびしっと七三に分けた恰幅のいい風貌の医者だ。北海道のH大学医学部出身。
そのため、内山医院の居宅には熊の置物が沢山ある。大理石を敷いた大きな玄関には、石で彫られた、勲が跨れる位の特大の白熊が、客を迎える。
医院と母屋は古い木造だが、広い敷地には博自ら設計した鉄筋二階建ての、邸宅がそびえる。東京の医大でのインターンを終えた博は、二年間の教養学部に在籍していた大阪のI大医学部付属病院に勤務する傍ら、義父の医院を〝若先生〟として手伝っている。
南側には、吹き抜けの円形ホールまである。グランドピアノを二台置いてもなお、余る空間。弘子は、ここでピアノ教室を開いている。生徒も五十人は居る。
円形の二階部分の壁には、特注のスピーカーが埋め込まれていて、そこから流れ出るクラシック音楽の調べは、コンサートホールそのものだ。このホールで藤田家の家族全員が、博のバイオリンと弘子のピアノの協奏曲を聴いた。父も母も、養子に出した博の暮らしぶりを目の当たりにして、ホッとする反面、どうしようもない虚しさが胸中に去来した。
この夜、内山家ですき焼きの晩餐が振舞われた。当時、すき焼きは最も高級な家庭料理だった。何が勲を驚かせたかというと、すき焼きの具を浸す生卵を、いくら使ってもいいという現実だった。藤田家では、父を除いてひとり一個。勲は内山家が眩しかった。


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