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2005.02.12

「優しい時間」に「21世紀の裕次郎」徳重聡!出演

「寺尾聰」主演!「倉本聰」脚本の「優しい時間」に
「21世紀の裕次郎」こと「徳重聡」がゲスト出演!
「石原プロ」制作以外のドラマには「初出演」であり…
「新鮮な感じ」と言いながらも「緊張」は隠せない?
【寺尾聰が後輩・徳重聡に“優しい”アドバイス】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【037】

 昨日、大阪T区とK区の境をたゆたう大川沿いのマンション八階『イサオ・プロダクツ』のベランダから見下ろした、大阪造幣局の「桜の通り抜け」の花見客を酒の肴に焼酎をあおり、元ジャズ・テナーサックス奏者、谷垣勝、元OBSラジオ・プロデューサー本山正継、元経済新聞社デスク遠山隆志らと、藤田勲との〝おやじ宴会〟のいきさつのその後は、どうしてくれるのか?いや、どうもしない……。ビールを又、注ぐ…。アルバムの写真は、四年生に上がった時の三組の集合写真だ。

 四年三組の担任は磐田敦子という肥満の女性教諭。始業式の挨拶で「皆はこれからの日本を担う大切な人材です。そやから、どんどん食べて、どんどん大きくならないけません。それには、ホルモン焼きが一番です!」
 変わった新任の挨拶である。後に母にこの話をすると「そんな汚いもん、食べたらアカン!ホルモン言うんは、ほる(捨てるの大阪弁)もん(物)や…」でも磐田先生は恰幅がいい、捨てる物を食べているのに…と勲は不思議に思う。どう言う訳か四年生に上がってからも勲は級長に、副級長には山本操が公選された。操の家は幸男の家の真反対側にあり、両家の丁度中間に勲の家がある。近所で操は幸男に次ぐ、ええしの家の子だった。操の父は「山本プラスチック工業」という会社を経営している。どういう業種なのか勲にはよく分からないが、幼稚園の頃、近隣の鍛冶屋、鋳造所、鋲螺工場など、社会見学に連れて行ってくれた父の説明によると・・・
 勲は自宅で産まれた、上の兄や姉もそうだ。勲の家の斜め向かい、あのお医者さんごっこの患者、キヨちゃんの家の左隣りに「中井助産婦」がある。骨盤が極端に発達し、その腰から下の両足はひどいO脚で、ひょこひょこ歩く婦人が産婆である。藤田家の子供全員がその産婆に取り上げられた。産湯は盥(たらい)だ。時代を「山本プラスチック工業」が変えた。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.02.11

サッカーW杯予選「日本vs北朝鮮」視聴率!47.2%

「日本vs北朝鮮」戦を生中継した「テレビ朝日」が…
「昭和34年」に本放送開始以来「最高視聴率」達成!
「社員食堂」の全メニューや「社内売店」の弁当など
「無料サービス」とは!…何とも微笑ましい限り?
【テレ朝史上最高-日本Vs北朝鮮47.2%】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【036】

 自宅のある奈良市学園前から京都府の南東端にひっそり佇む『浄瑠璃寺』までは車で二十分少々。寺の参道脇のひなびた焼物屋で女房と買った、厚みがあり角の丸い、四角い素焼き皿に、二日間煮込んだコロ、すじ肉、ごぼ天、ちくわを盛り二階に上がる。ストリップ階段を上がりながら、ふっと思う。「朝六時に起きて、二十数年間やろうと思ってたアルバム整理やけど、ひとつもはかどって無いなぁ…そもそも古いアルバムを開いたのが間違いのもとや…クソッ!あっそや、ビール忘れたわ…」
 今日の休みのこの日まで、勲は何百回となくアルバム整理を思いついた。最初の頃は、日本各地を撮影で回った自分の足跡の証として、次には、南太平洋のエメラルド色の海や島々のロケの思い出として……。そして、今日……思いついたアルバム整理は、勲がテレビ業界に身を晒し、二十六歳の春にひとりの女と出逢ってから今日に至るまでの、三十年間の過去の全ての整理と―その意味合いは、長い時の流れの渦の中で推移する―五十五歳になって勲は、何もかも、整理したくなった………。二十一年間住んだ家は今、売りに出している。
 リビングの冷蔵庫から、サッポロ黒ラベルの中瓶を右手にぶら下げ、二十六畳のキッチンダイニング、リビングの空間を勲は、ぼんやり見つめた…。
 ―大阪N区の「T住宅」本社ビル七階のガランとした部屋に男三人、ひとりの女がいる。手に持った図面に目を遣りながら、男はフロアに白のビニールテープを貼り、大小の四角い平面スペースを描き出している。設計者だ。横で愛想笑いを男と女に送っているのは、営業担当者だ。設計図面では実際の広さが分からない。だから設計者は施主に、家の間取りをフロアに一次元の実寸で示している。〔玄関ホールは吹き抜け〕〔階段はストリップ〕〔キッチン、ダイニング、リビングは充分に広いワンフロア〕〔リビングはダイニング・キッチンより20センチ低くして段差をつける〕〔トイレは1Fと2F、2Fトイレ横にはシャワールーム〕〔広い主寝室・その奥に書斎〕男と女の基本設計コンセプトだ―
 設計通り、新居は建った。そして、男と女は結婚もせず、暮らし始めた……。
 勲は焦点を元に戻す……頭を振る……ひとりごちる「そもそも、あんな古臭いアルバムを開けたんが間違いや、あんなチビの時代の写真観て、何がオモロイっちゅうねん!」
 書斎の机の左側に四冊の古~いアルバムがあり、右側には未整理の写真数百枚が山積みになっている。ビールをグラスにこぼし、一気に飲み干す。プワァ~ッ!「今日のところは、高校までのアルバムを開けて、純情な青春時代に浸るとするか…」
 実際、勲の過去の生きざまの三分の一―つまり、高校時代までのオフィシャルなアルバム写真以降の人生は、右側の写真の群れの中に、眠っている。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.02.10

「スペンサー」と言えば…未だ「阪急ブレーブス」?

「阪神タイガース」期待の右の大砲!「スペンサー」
「スペンサー」といえば「阪急ブレーブス」で活躍!
「殺人スライディング」を「日本」に持ち込むなど…
「黒船」襲来!を感じさせてくれた頃が…懐かしい!
【スペンサーが志願特打で軽症アピール…シーツも順調】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【035】

 夕方に勲は帰宅する。「ただいまぁ!」「お帰り……昨日と今日、幸男ちゃんと何して遊んだんや?」振り向きもせず晩御飯の用意をしながら、母は聞く。ローラースケートを玄関の大きな下駄箱の勲のスペースに仕舞い、水鉄砲をその後ろに隠し、余所行きのパジャマを抱え、台所に勲は入る。「卓球してなあ、スケートしてなあ、水鉄っ…うっ…トヨエース運てっ…うっ…」「なんやて?」「……あんなあ、ボクが懐中電灯のモールス信号、発明してん!」「ふう~ん、モールス信号かいな、そんなもん役に立つんか?」「今日暗なってからな、家の前から、幸ちゃんの家の前に居てる幸ちゃんにな、懐中電灯でモールス信号送るねん!」「えらい難しそうやなあ…」母は勲の発明を全く信用していない素振りで調理を続ける。
 一時も早く勲は、幸男と送信したい。そそくさと食事を済ませ、勲は工場から懐中電灯を手に表に出る。約束の午後七時―五十メートル先の有沢家の前に、幸男はすでに立っている。「幸ちゃ~ん!オーケーかぁ?」「オーケーやでぇ!」「ほな、ボクからいくでぇ!」「ええでぇ!」モールス信号など要らないではないか。声で通じる。
 勲が信号を送る。
『い』・・   (トントン)
『ま』×・   (電灯を体の前で×して トン)
『な』○・   (電灯を体の前で○して トン)
『ん』△・・・ (三角トントントン)
『じ』(ヾトントン斜)
幸男???「なんやて?ヾがわかれへん!」「『じ』やんか、表見てみぃ!」勲が三時間かけて作った乱数表だ。「あった!『じ』や、ということは…『い ま な ん じ』…や!今、七時二分やでぇ!」腕時計を見て幸男は怒鳴る。「言うたらアカン!何のためのモールス信や!」「ごめん、ほんならボクの番や、いくで!」
『え』・・・・ (トントントントン)
『え』・・・・ (トントントントン)
『て』Λ・・・・(山トントントントン)
『ん』△・・・ (三角トントントン)
『き』・・―  (トントンツー)
「え え て ん き…分かった、『ええ天気』や!」「言うたらアカン!何のためのモールス信や!」「お前らうるさいなあ!」向かいの親父に怒鳴られる。勲の母の予感通り、発明したモールス信号は、水泡と帰した。

 サッポロ黒ラベルの中瓶もすでに空き、勲は又階下のリビングに降り、二日前から煮込んだ「関東煮き」の鍋の蓋を取る。何故、関西で関東煮きなのか?……知らない。巷間言われているのは戦後、関東で練り物、野菜をごった煮にしたものを配給券と交換して食したという。見たんか?勲は思う。「そんなこと、どうでもええやないか、関東であれ関西であれ、食う中身は一緒や…」ところが関東では牛のすじ肉、鯨の皮のコロは無い。食文化が貧粗なのだ。その代役なのか、ちくわぶ、はんぺんなど関西人がおよそ食わない貧粗な食材を関東人は、食す。「田舎モンの集団や」なんの優越感なのか知らないが、勲は思う。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.02.09

増田明美!祝「結婚」お相手は「…ランナー」?

「日本女子マラソン・ランナー」の草分け「増田明美」
「41歳」での「ゴール」は…「42.195歳」を目指して
欲しかっただけに?残念至極!…但し!伴侶の職業が
「ファイナンシャルプランナー」とは…出来すぎ?
【増田明美さんがフィナンシャルプランナーと結婚】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【034】

 裕次郎の映画は『鷲と鷹』に始まり、『錆びたナイフ』『嵐を呼ぶ男』『風速40メートル』『俺は待ってるぜ』『紅の翼』『明日は明日の風が吹く』『銀座の恋の物語』『天下を取る』『憎いあんちくしょう』と、数え上げたらきりがない位、勲は裕次郎に、嵌まった。

 そんなことを考えつつ勲は、自分の家を右手に見遣りながら、幸男の自転車の後を追い、再び有沢家の広い工場の敷地に入る。
 さあ、午後の遊びの開始だ。早くも胸がときめく。この遊びが勲は一番、好きだ。『運転手ごっこ』ごっこの域は超え、運転手そのものだ。今日、初めて勲は運転手になれる。幸男はすでにベテラン運転手だ。
 有沢農機には沢山の車がある。農機具販売の営業車、製品や部品を運搬する大小様々のトラック。幸男の祖父の社長用の車は、キャデラック。やはり、ええしだ。そのうちの一台、トヨエースを幸男はガレージから出して来る。手馴れたものだ。「いさちゃん、早よ乗り!」言われるままに勲はドアを開け、助手席に納まる。「ええか、もう分かってるやろ?」運転席に座布団を二枚敷き、両足を目一杯に伸ばした幸男は左足でクラッチを踏み、ハンドル軸の左側面のチェンジレバーを手前に引き、ローに入れる。右足はブレーキを踏む。次に左手でサイドブレーキを解除させ、右足をアクセルの上にそっと置く。ここからが勝負だ。
 右足のアクセルをゆっくり踏みながら、同時にクラッチを踏んでいる左足の力を徐々に緩め、右足のアクセルに力を入れていく。ブゥ~ン……トヨエースが動き出す。これまでの幸男の教習で、勲はトヨエースを始動させる時、いつも失敗する。クラッチを踏んでいる左足の力を緩めるのと、右足のアクセルに力を入れる微妙なタイミングが合わずに、エンストさせてしまう。
 トヨエースを始動させた幸男は、工場の敷地内をセコンド、サード、トップとチェンジをスムーズに操作させ、大きく円を描くように走らせる。♪「運転手はボクだ、車掌はキミだ~」鼻歌混じりに幸男はスイスイ、トヨエースを操る。
「さあ、いさちゃんやってみぃ!」いよいよその時がやって来た。運転席に座った勲は、九年間の人生でこれまで経験し得なかった極度の緊張感に襲われる。ハンドルを握る掌にじわ~っと汗が浮かぶ。「いさちゃん、肩の力抜かなアカンでぇ、そんなびびっとったら、オシッコちびるでぇ…」まじで、ちびりそうだ。助手席で余裕をかましている幸男教官の指示通りに、始動マニュアルを次々にクリアして行く。ブゥ~ン……「動いた!動いたぁ~」勲は叫ぶ「やったなぁ!」幸男は笑う。「コラ~ッ!また自動車動かしてからに!この子ぉらわ」古参女中のひさえはんだ。五人兄弟の末っ子の幸男にとって、ひさえはんは乳母みたいな存在で、頭が上がらない。「早よガレージにしもとき…」これで事が終わる有沢家は勲にとっては、やはりパラダイスなのだ。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.02.08

氷川きよし「初恋列車」SL列車「車掌」イベント

「氷川きよし」が北海道を走る「SL」を借り切って…
新曲「初恋列車」の発売記念イベントを実施するとか!
「1日車掌」に扮して…「車内検札」予定らしいので…
「女性専用車」になってしまうこと!間違いなし?
【氷川きよしSL列車貸し切り1日車掌】(nikkansports.com)

愚図愚図と酔いしれて…【033】

 商店街を折り返し、放出街道を北へとハンドルを切る。右手に「めし」と大きな文字で書かれた看板を掲げた食堂の前を左折し、勲と幸男の家の建つ地道を西に下る。その一本目の左角に駄菓子屋「権兵衛」がある。屋号ではないが、老夫婦二人で営む店の主人の名が「権兵衛」。幸男とはやったことは無いが勲のこれまでの悪戯仲間とは、よくやった。おばあさんの方に、仲間が気を逸らせておいて、そちらへ権兵衛さんの視線が逸れた瞬間、こっちの仲間が『カバヤキャラメル』の箱を鷲掴みにして、表に飛んで逃げる。何故『カバヤキャラメル』なのか?箱の中には赤、黄、緑のおまけ券が入っていて、何枚か貯めると映画がタダで観られる。タダ券ばかりで映画を観たわけではないが、勲は同じ劇団に入った兄と連れ立って映画をよく観た。子役同士、母は芝居の勉強になる、と映画鑑賞にはおおらかだった。しかし、絶対に観てはいけないのが、日活映画だ。兄の石原慎太郎の芥川賞受賞小説『太陽族』を映画化した作品でデビューした石原裕次郎。それ以来、裕次郎の主演映画はヒットを連発し、日本中の若者のヒーロー的存在となった。当時、平凡などの雑誌の表紙を幾度も飾った大スター裕次郎は、プロレスの力道山、プロ野球巨人の長嶋茂雄と「三義兄弟」と、持ち上げられるほどの国民的ヒーローだった。義兄弟では無いのだが、いつの世もマスコミは、大衆迎合だ。あの映画好きの勲の父も、裕次郎の映画だけは観ないし、勲に観させない。父の酷評「派手なアロハシャツ着てからに、あら、不良や!」母の酷評「へんてこりんな髪型してからに、裕次郎も慎太郎も、不良の兄弟に違いないわ!」頭の裾を短く刈り上げ、てっぺん部分を少し残して、前髪を短く額に垂らす、石原慎太郎の前代未聞の髪型《慎太郎刈り》は、一世を風靡した。勿論、裕次郎も《慎太郎刈り》だ。後に勲が母に内緒で『平凡』の裕次郎のグラビアを片手に、近くの散髪屋で《慎太郎刈り》にして家に帰った時、母の鉄拳が飛んだことは、言うまでも無い。勲が四年生になってから、もっと激しい母の鉄拳が飛ぶことになる。
 母に内緒で兄が初めて連れて行ってくれた裕次郎の映画は『鷲と鷹』内容は勲には把握出来なかったが、なにやら船乗りにまつわるストーリーだった。内容なんてどうでもいい、とにかく裕次郎はカッコいい!ニヤッと笑うと八重歯が覗く。「何でお母ちゃん、ボクを八重歯に生んでくれへんかってんやろか」必ずあるアクションシーン。相手を木っ端微塵に倒す、パンチ、キック…足がやたら長い。「何でお母ちゃん、ボクの足、もっと長う生んでくれへんかってんやろか」兄、慎太郎とこよなく海を愛した、神奈川・湘南生まれ。「何でお母ちゃん、ボクを湘南で生んでくれへんかってんやろか」

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.02.07

ホラー映画「着信アリ」ハリウッド・リメーク決定

「柴咲コウ」主演!「三池崇史」監督の「着信アリ」が
「ハリウッド」でリメークされる!とのことであるが…
「ジャパニーズホラー」の「おどろおどろしさ」が!
「アメリカ人」に「ウケる」理由とは何であろうか?
【「着信アリ」がハリウッドでリメイク…「2」初日舞台挨拶】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【032】

 勲も幸男も『味の素』の大ファンだ。この幻の調味料が発売され、初めて食卓に乗ったその日から、虜になってしまった。漬物にふりかけ、目玉焼きに、大根おろしに、冷奴に、焼き魚に、御飯に…これは勲の一番上の兄があみだしたのだが、ぬくぬくの御飯の上に、雪印バターを五センチ角に切った塊を乗せ、味の素をふり、醤油をかけ混ぜて食う。美味い!食品自体の持つ味を一瞬にして魔法に掛け、旨みを引き出す。明石に帰ってしまった女中は「これは蛇の皮を乾燥さして粉にした、毒です!」と言ったものだ。「アフリカのジャングルじゃあるまいし、ここらに蛇が群生してるんか?」さすが長兄ならではの理屈だ。とにかく『味の素』は美味いのだ。
 ラーメンをすすり終えた勲と幸男は、自転車をF駅北口商店街に乗り入れる。商店街を南へ行けば、例の映画館「昭栄座」があり、途中西に折れると、あの劇団「ひまわり」の売れっ子・中山千夏の家の薬局がある。しかし、今の勲には自分も子役であることなんか、頭蓋のどこにも無い。意識にあるのは懐に隠し持った水鉄砲のことのみ。透明のプラスチック製の優れ物。商店街にアーケードの屋根は無い。日曜日の親子連れの買い物客などで、ごった返す。地元商店街は、当時の庶民の娯楽の街だ。映画館にパチンコ屋、射的場にスマートボール、洋服屋に化粧品店、万年筆にバナナの叩き売り、電気屋に宝石店、すし屋にお好み焼きの店などなど…まるで万華鏡の世界だ。ミナミやキタの百貨店とは趣が違う。商店街の中程、近鉄・大阪線と奈良線が交差するF駅の線路の下をくぐる地下道には、戦闘帽を被り、黒眼鏡を掛け、白装束に松葉杖を突き、募金の紙箱を地面に置き、アコーデオンを奏でる人が居る。以前、家族で商店街の中にあるすし屋で食事した帰り道、勲は母に「お母ちゃん、お金あげへんのん?」と言ったことがある。母は無言で素通りする。後でその大人を〝傷痍軍人〟と呼ぶのを知る。【戦いー】何故、母が募金しなかったのか、勲は知らされなかった。勲は白装束の大人が奏でるアコーデオンの旋律が、どうしてこうまで物悲しいのか、知りたくもあり、知りたくない複雑な心情を、今も思い出す。今日もあの地下道に〝傷痍軍人〟は、居るのだろうか…。
 商店街の人いきれの中、勲と幸男は自転車をクネクネと走らせる。「あっ、雨や!」「えらいええ天気やのに、雨かぁ?」「たぶん、狐の嫁入りやろ…すぐ止むでぇ」その通り、すぐに雨は止む。自転車を走らせながら勲と幸男は、隠し持った水鉄砲を天に向け、思いっきり水の弾を放つ。数秒後、水は雨となって降って来る。伊達に、西ドイツ製の空気銃で試射やってんじゃないってんだ…。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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2005.02.06

「離婚弁護士2」天海祐希!「間宮貴子」が熱愛?

フジテレビ系「火曜夜9時枠」4月期「離婚弁護士2」
美人エリート弁護士「間宮貴子」を演じる「天海祐希」
実生活では「吉川晃司」との「熱愛発覚」の後だけに?
「ヒロイン」自身の「恋愛物語」も描かれるとのこと?
【天海祐希の「離婚弁護士」が再び-見どころは熱愛!】(サンスポ.com)

愚図愚図と酔いしれて…【031】

 次は倉庫二階でのローラースケート。他の子供たちが持っているのは、車輪は鉄製。足型をしたスケート台にズック靴を載せ、布製のベルトを小さなバックルで締める。普通はコンクリートの上で滑るのだが、舗装された道は国道くらいのもの。あとは地道だ。だからローラースケートを持っている少数の子供たちは、大西病院の玄関先の通路がリンクだ。しかし、凸凹のコンクリートと鉄の車輪の摩擦音が騒々しいため、「やめなさい!」と顔を真っ赤にして怒る看護婦との、いたちごっこでしかローラースケートは楽しめない。それがどうだ、有沢農機の広い二階倉庫は木の床。おまけに幸男と勲のローラースケートの車輪は木製。滑るとローレローレと心地いい摩擦音を発し、まさに滑るように、滑る。
 今二人ともローラースケートが愉しくて愉しくて、しょうがない。というのも先週末[クロス]が出来るようになったのである。[クロス]とは、直線に滑っていて左にコーナーを切る場合は、左足の前に床から浮かした右足をそっと下ろし、両足をクロスさせるのである。右コーナーの場合は、その逆。この難しい技を二人はクリアしたのである。

 昼前にローラースケートを終え、二人は自転車に跨りH区とF市の南東角の境界、高井田にあるラーメン屋を目指す。
 「光洋軒」のラーメンは美味い!カウンターだけの店で、椅子は幅三十センチの板のベンチが二つで八人掛け。表にもベンチが一つ、外の客を含めて総勢十二人で満席。中華模様が内側に描かれた丼鉢に親父は、醤油ベースの秘伝のタレを入れた一升瓶の口あたりを右手で握り、親指で瓶の口を塞いで逆さにし、親指を少しずらして、その隙間から出てくるタレを、二列に並べられた十二個の丼鉢の中に適量を流し落としていく。その上に目一杯の『味の素』を、てんこ盛りにして小山を築く。鶏ガラで摂った白だしのスープを注ぐ。中華麺は特注の極太麺。大きな茹で鍋で麺を八分ほど茹で、金笊(かねざる)で湯を切り、そっと優しく麺をスープの中へ落とす。濃い口醤油ベースで五時間、コトコト煮詰め上げたチャーシューを薄く切り、三枚、麺の上にそっと乗せ、これまた濃い口醤油で煮たメンマを五本、置く。最後に刻みねぎをたっぷりばらまく。ズルズルズル……美味い!一杯五十円、子供には高い、しかし、幸男の奢りだ。余計に、美味い!

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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