「男たちの大和 YAMATO」実物大セット!4億円
12月公開予定の映画「男たちの大和 YAMATO」…
「戦艦大和」の「実物大セット」の費用は「4億円」!
JR「尾道駅」から渡船でわずか5分の「向島」にある
「ロケ現場」は「遠見の見物」の名所?になるかも?
【YAMATO発進!!全長100mの巨大戦艦出現】(サンスポ.com)
愚図愚図と酔いしれて…【079】
兄の義父母も、妻の弘子もとても優しかった。藤田家の大切な息子を養子に迎えたことに、一種の遠慮みたいなものを感じていたのかも知れない。そんなことは勲には、分からない。勲は、医者という仕事にも、自分の家とは全く違った内山家の環境にも、すごく興味を抱いていた。
そんな勲の心境を、母は知っていた。「勲の前では、博を取られたなんて、二度と言うまい」そんな母心が、今日、内山家に勲を遊ばせに行かせようとしている。内山家との融和―。
内山家の広い芝生の庭には、錦鯉を飼うプールがある。縦十メートル、横五メートル、深さ一メートル。勲が訪れた時、往診時に車を運転する屋鋪さんが、プール掃除をしていた。五つの盥に錦鯉を移し、プールを空にして屋鋪さんは柄の長いブラシで、内側をゴシゴシ洗っている。その様子を一郎の妻・たえと勲は、上等のソフトクリームを舐めながら見つめている。「おばさん、あのプール洗ってから、どうするんですか?」丁寧にしゃべることを母から注意されている。「又、水を張って、しばらくしてから鯉を戻すのよ」東京弁である。内山夫婦は大阪の出身では無いので、東京弁を話す。新橋演舞場の「ミツヤ」の姉さんを思い出す。
「プールに張った水を、何でしばらく時間を置くんですか?」「何でも、水に太陽の光を当ててからの方が、水質が柔らかくなって、鯉には良いらしいのよ」「ふ~ん…どれ位の時間、置くんですか?」「さあ、二~三時間じゃないかしら?」「ふ~ん…その間、錦鯉はどうしてるんですか?」「盥に上に茣蓙をかけて置くのよ」「ふ~ん…その間は、プール、誰も使わないんですか?」「……あっ!ひょっとして勲ちゃん、あの中に入りたいんじゃないの?」勲の思いは通じた。
勲はパンツ一丁で錦鯉のプールに浸かってしばしの水遊びを楽しんだ。一人っ子の弘子しか育てていない、たえおばさんは、プールサイドで麦藁帽子を被って、勲を優しい目で見つめている。
プールの水は、鯉臭かった。


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