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2005.04.01

「ペイオフ」全面解禁!「決済用預金」が注目の的?

ついに「ペイオフ」が全面解禁され!「自らの責任」で
「金融商品」や「金融機関」を選択する時代に突入!…
「預金払い戻し保証額」が例外的に「全額保護」される
「決済用預金」が!やはり「お薦め商品」になりそう?
【ペイオフが全面解禁 金融相「預金者は自らの責任で」】(asahi.com)

愚図愚図と酔いしれて…【085】

 また父母は、休みの日、二人を連れて京都や奈良の古刹を訪ねた。勲は京都の「西芳寺」が気に入っていた。
 奈良時代、行基の開創と伝えられる西芳寺は、約百二十種類の苔が境内を覆い、緑の絨毯を敷きつめたような美しさから〔苔寺〕とも呼ばれる。勲は、その鬱蒼とした庭園が好きなのだ。
 茶道を好んだ祖父が、家の前栽に数種の苔を敷いていた事に、由来しているのかも知れない。
 何と言っても勲を、京都好きにさせたのが〔花魁道中〕だった。
 父母と兄、四人で『はとバス』に乗る。京都の観光地を半日掛けて回るコースの最後が〔島原・花魁道中〕だった。
 山陰線・丹波口駅の東南に、島原は在る。
 江戸時代から発展した町で、当時は京都唯一の公許の花街であった。江戸の吉原、京都の島原、大阪の新町は『日本の三大遊郭』と言われていた。
 東入口の正面だった「大門」を入ってすぐ右手に、太夫や芸妓を揚屋へ派遣する置屋の『輪違屋(わちがいや)』があり、突き当たりに、現在の料亭にあたる揚屋の『角屋』がある。
『角屋』の客から、お座敷のかかった太夫が『輪違屋』から『角屋』まで行き来するのが〔花魁道中〕である。その行列を今に再現している。
 先頭から、金棒引き、提灯持ち、揃いの赤い着物を着た禿(かむろ)四人、そして、打ち掛けを羽織り、髪に夥しい櫛笄(くしこうがい)を飾った装束の太夫が、高さ三十センチの三枚歯のポッコリ下駄を、内八文字にゆっくりゆっくり練って歩く。その後を、肩貸し、傘持ち、新造二人、遣手婆と続く。
 絢爛豪華な時代絵巻、花魁道中を初めて目にした勲は、絶句した。街全体が灰色に近い町工場をフィールドにして育った勲の網膜は、万華鏡状態に陥った。
「綺麗なぁ…こんな人がお母ちゃんやったら……」「勲、涎拭きなさい!」
 現実とは、こんなものだ。勲は、遠ざかる花魁の姿を、切ない想いで見つめ続けた。

愚図愚図と酔いしれて…【一挙掲載版】

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