「3年B組金八先生」小山内美江子「脚本」降板
昭和54年「第1シリーズ」から「3年B組金八先生」の
「原作・脚本」を手掛ける「小山内美江子」氏が降板!
番組の「公式サイト」で!態々「お知らせ」するとは?
「既定路線」ではなくて?「緊急事態」ということか?
【小山内美江子さん、がん療養で“金八”脚本降板】(サンスポ.com)
愚図愚図と酔いしれて…【026】
次に勲を仰天させたのが、空気銃だ。幸男の祖父はガンマニアで、殊に空気銃マニアだ。祖父の社長室に西ドイツ製の二挺の空気銃が木製のガラス棚に収められてある。「いさちゃん、これで遊ぼか?」「これて、もしかして空気銃ちゃうのん?」「そうやで、これで銃の弾の缶、撃つんや!」「怒られへんのんか?」「平気や!」「そや、兵器や!」話が通じていない。どうやら幸男は日頃から一人で遊んでいるらしい。
倉庫の壁に直径十センチの丸いアルミ缶―鉛の弾入れ―を立てる。その的を十五メートル離れた場所から、撃つ。西ドイツ製の空気銃は子供には重い。幸男は地べたにうつ伏せになり、銃床を右脇の内側に抱え、右手人差し指を引き金に掛け、左腕を伸ばし、掌を上にし、銃口の下にあてがう。片目を瞑り、見開いた方の目は、銃身の先の照準と十五メートル先の的に合わせる。ピタッと合った瞬間、引き金を引く―。プシュ!缶がコロンと手前に倒れる。近づくと缶の中央に五ミリ程の穴が開いている。外国テレビ映画『ライフルマン』のチャック・コナーズ並みの腕前だ。勲も撃つ。カシャ!壁だ。弾をこめる。撃つ、プシュ!命中だ。初体験の射撃に勲は、嵌まった。又、事務所に戻る。ここで又々ビックリ。幸男はコンサイスの英和辞書のページを一枚、破る。勲は聞いたことがある。英語の単語を覚える秘訣は、覚えたページを破ってそれを丸めてパクッと呑み込んでしまう。「幸ちゃん、そんなん呑み込んだらのど詰まってしまうでえ」「アホか、違うねん…」幸男は鉛筆削りのカスを辞書の紙切れの上にばら撒く。そして端の方から小さく丸めていく。唾でもう片方の端を留める。「出来た!」手作り煙草の完成である。ブシュ!幸男は蝋マッチを机に擦り付けて、火を点ける。こいつ、なんでこんなマッチ持っとんねん…「いさちゃん、吸うてみ」「いやや、お母ちゃんに怒られる!」「わりと根性ないんやなあ」根性が無いのではない、母は悪戯ばかりする勲を悪ガキから遠ざけ、良家育ちの幸男に近づけたいのだ。それがどうだ、幸男は手作りの<鉛筆削りカス英和辞書巻き煙草>を吹かしている。「こいつ、相当のワルやな」勲は幸男との遊びに、嵌まった。これまで勲が創り出した数々のわるさと、質と中身が違う。
いろんな遊びを二人で考え、実践した。<秘密潜水艦>。幸男の家にある、茶箱―子供一人がしゃがんで入れるスペースがある―それを日本庭園に鯉を飼う大きな池に浮かべ、箱の中に入る。縁側のコンセントから引いた電気コードの先に、二十ワットの電球をセットし、スイッチを捻って灯す。それを箱の中に引き込み、蓋を閉める。出航!箱を押しやる。箱内が潜水艦だ。バランスを崩して、よく沈没の憂き目に遭う。


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