「NHK」が「朝日新聞」を「虚偽」扱いで泥仕合?
「番組改変問題」に関する一連の報道で「NHK」が
「朝日新聞」を「虚偽」報道とテロップで表示するも
「名誉毀損」との「抗議」を受けて…早急に「削除」
「報道」とは「程遠い」泥仕合の様相!…甚だ遺憾!
【朝日新聞報道を「虚偽」と表示 NHK、本社抗議で外す】(asahi.com)
愚図愚図と酔いしれて…【015】
『野壺落下事件』のあったあの春休み、勲と四つ年上の兄は「こびと座」という児童劇団の入団試験を受けさされた。【戦い】―。勿論、二人の意思ではない。母の独断である。母の雅子は、早くに長男、長女を失ったことから、残る子供たちには親として何かしてやりたいという、気負いがあったようである。大正二年生まれの雅子は、女学校に入り将来は女医になることを夢見る少女だった。しかし、家が貧しかった雅子は、尋常小学校を出るとすぐに、件んの「藤田家」の養女に出された。そして、謹厳実直で腕の立つ印刷職人で、これ又、藤田家に養子として入った孝義と結ばれる。
次男は、浜寺水練学校、バイオリン、フィギヤースケート。次女は、モダンバレー。三男は、ボーイスカウトに。そして、四男と勲は児童劇団。この流れを見ると雅子は、相当のハイカラな気質を備えた女性である。
劇団の入団試験とはいっても、合否の基準は童話の朗読だけである。よほどの下手でない限り、誰でも簡単に入れる。兄弟は晴れて?合格した。
『あめんぼ赤いな あいうえお
浮き雲(も)に 小えびも浮いている
柿の木栗の木 かきくけこ
きつつきコツコツ 枯れケヤキ
ささげに巣かけて さしすせそ
その魚(うお)浅瀬で刺しました』
北原白秋 作 「あめんぼの歌」である。劇団の生徒に初めて課されるのは、この歌を大きな口を空けて大声での合唱である。劇団は幼稚園児から小学校低学年、高学年の三クラスに編成されている。週三日の劇団通いが始まった。兄は別として勲の生活は、激変した。何故、激変か?それまでのように近所の仲間との、心ときめく縦横無尽に暴れまわる遊びとは、おさらばだ。月・水・金の学校が終わってからの劇団通い。自宅から兄と一緒に市バスに乗って、二区間(二駅ではなく二つの区間)片道五十分の道のり。勲には海外旅行に思えた。
只、うれしかったのは、母に牛皮製の定期入れを買って貰ったことである。百貨店で母が選んだ定期入れの色は、黄土色。勲の好み等、受け入れられない。「ばばたんこの色や…」小さなショックが勲の胸に走る。
小学二年生の勲の行動範囲なんて、たかが半径四キロ程。それも一キロ以上は自転車に頼る。それが片道五十分。バスに乗車する時、女性車掌に牛皮製の定期入れを指し示す。二区間乗り継ぐのに二回、見せる。まさにパスポート気分の海外旅行だ。劇団のレッスンを終えて自宅近くのバス停に着くのが、夜の八時半近く。バス停の横に『ふじや』という大衆食堂がある。父や職人達が残業する時、母が夜食に出前を注文する店である。晩御飯抜きの兄弟の腹の虫が鳴る。「お母ちゃんには内緒やぞ!」。親に内緒の行動は、『野壺落下事件』以来だ。胸が痛む。


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